ぽっこりお腹改善(2)
2020年3月31日
「せっかく新しい服を買ったのに、お腹が出ていてシルエットが崩れてしまった」「お腹の脂肪を見るたびに落ち込んでしまう」……いわゆる“ぽっこりお腹”に悩んでいる人もいるのではないでしょうか?ウエストにくびれを作って、お腹をスッキリさせたいけれど、どうずればいいの?そこで、東邦大学医療センター大橋病院(東京都目黒区)の婦人科医でプロボクサーでもある髙橋怜奈(たかはし・れな)先生に話を聞きました。
——ぽっこりお腹で悩んでいる女性も多いと思うのですが、ぽっこりお腹を解消するためのエクササイズがあれば教えていただきたいです。
髙橋怜奈先生(以下、髙橋):まず、お伝えしたいのが「ぽっこりお腹」という言葉は医学的な言葉ではないんですね。
ただ、お腹のガスがたまりやすい人、姿勢が悪い人、脂肪がたまっている人など、様々な理由でお腹が出てしまっている人がいると思うので、今回は「脂肪がたまっている人」ということでお話できればと思います。
まず、「ぽっこりお腹」の原因が脂肪であれば、お腹だけ太っているという人はいないんです。
——どういうことでしょうか?
髙橋:お腹に脂肪がついているのであれば、ほかの部位にも脂肪がついているはずです。だから、全体的に体重を落とすエクササイズが必要です。
——よく「部分痩せ」と言いますが……。
髙橋:言葉としてははやっているのですができないんです。なぜなら、脂肪を減らすということは消費するエネルギーのほうが大きいということなので、脂肪が体全体に行き渡っているからダイエットをすれば全体的に脂肪が減ってくるはず。なので、お腹だけ痩せることはできないんですね。
——そうなのですね。
髙橋:自分がどんな体になりたいかでやり方も変わってくると思います。普通に脂肪を減らしてスレンダーな体になりたいのであれば、ジョギングや水泳などの有酸素運動をすれば脂肪は落ちます。
ただスレンダーになるのではなくて、引き締まった体になりたいのであれば、高タンパク質と低脂質の食事を摂って筋トレをしっかりするのがおすすめです。
——最近は、ただスレンダーになるのではなくてある程度筋肉もある、引き締まった体を目指す女性が多いです。
髙橋:それであれば、筋トレして有酸素運動するのがいいと思います。結局、脂肪を減らさないとお腹は凹みません。例えば、プロレスラーのお腹はスレンダーではないですよね。だからと言って筋肉だけではない。がっちりした体が大きい人が多いと思うのですが、彼らは筋肉だけではなくて体を守るための脂肪もつけている。筋トレだけではなかなか脂肪は減らないので、筋トレと有酸素運動を組み合わせて初めて引き締まった体になると考えてください。
——具体的に筋トレと有酸素運動は1日にどのくらいすればよいのでしょうか?
髙橋:例えば、「今日から腹筋100回しましょう」と言ってもなかなかできる人はいないと思います。なので、何かしらの筋トレを1日10回、3セット行って、有酸素運動は15分から20分するところから始めてみてはいかがでしょうか?
ただ、筋トレをするときに覚えておいてほしいのが、糖質制限はしないということです。筋トレするにはエネルギーが必要です。そのエネルギーを作るのに糖質が必要なので、糖質制限はしないほうがいいですね。
——有酸素運動は、例えば一駅分、15分歩くだけでもよいのでしょうか?
髙橋:一駅二駅歩くだけでいいと思います。ただし、毎日続けたほうがいいですね。