腸活×むくみ改善(4)

2020年3月31日

外食した次の日は何を食べる? むくまないための食生活と生活習慣

夕方になると足がむくんで靴がキツくなる、飲み会の次の日は顔がむくむ、など日頃からむくみで悩んでいる人は少なくないのでは?そこで、東邦大学医療センター大橋病院(東京都目黒区)の婦人科医でプロボクサーでもある髙橋怜奈(たかはし・れな)先生に「むくみ」をテーマにお話を伺いました。

塩分をとりすぎない

塩分をとりすぎない

——むくまないためには食生活や生活習慣も大事だと思うのですが、どんな食べ物がよいのでしょうか?

髙橋怜奈先生(以下、高橋):やはり塩分をとりすぎないことですね。もともと和食は漬物や味噌汁など、塩分が多めです。

厚生労働省が推奨する塩分の1日の摂取量は男性は8.0g未満、女性は7.0g未満※なのですが、WHOは成人1日あたりの塩分の摂取量5.0g以下を推奨※※しています。

つまり、WHOの基準から言っても日本は塩分に関しては基準が甘いんです。もう少し塩分を減らした食事を意識したほうがいいと思います。

とはいえ、外食や飲み会で塩分をとりすぎることもあると思うので、塩分をとりすぎた日の翌日はカリウムを含んだ食品を意識的にとりましょう。

※厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年度版)」より
※※WHO「塩分摂取新ガイドライン」

——カリウムを含んだ食品というのは?

髙橋:具体的には、バナナやアボカド、大豆や納豆、じゃがいも、わかめなどですね。カリウムはナトリウムの排泄効果があるので、味噌汁の具をカリウムを多く含む野菜にするのもいいですね。あとはニンジンやブロッコリー、ほうれん草などの緑黄色野菜もいいと思います。

私も、飲み会で塩分をとりすぎた次の日は野菜たっぷりのスープ、バナナやヨーグルトをとって調整するようにしています。

——ヨーグルトもよいのですね?

髙橋:ヨーグルトは水分もとれるし善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌も含まれているので。飲み会や当直明けで睡眠不足になったときは意識的にとるようにしています。

やっぱり、疲れていたり、睡眠不足だったりすると自律神経が乱れて腸の動きも乱れがちになってしまうんですよね。食生活や睡眠不足で腸内環境が悪玉菌寄りになったかな? というときはこれらの食品を積極的にとるようにしています。

むくみ防止の食生活で一つ覚えておいてほしいのが、ダイエットで糖質を必要以上にとらない方もいるのですが、食事はきちんととるようにしてください。がんばりすぎて糖質を撮らないと、体の冷えにもつながってむくんでしまいます。

適度なエネルギーを摂取して消費して循環させるのが大事なので、省エネモードになると血流が悪くなってむくみにつながります。なので、過度な糖質制限はしないように心がけてください。

むくまないための生活習慣は?

——むくまないための生活習慣として大事なのはどんなことですか?

髙橋:やはり睡眠時間をしっかりとることですね。睡眠時間が不足して体にいいことってないんですね。睡眠時間が足りないと、自律神経のバランスが崩れて血圧にも影響します。血圧のバランスがとれないと血流も悪くなるので、睡眠時間はしっかり確保するようにしましょう。

——毎日、ヨガやピラティスをしている人もいると思いますが、むくみには効果があるのでしょうか?

髙橋:いいと思いますよ。スタジオでホットヨガをやっている人もいると思いますが、自宅でヨガやピラティスをやっている人も大体は暖かいところでやりますよね。暖かい場所でのゆったりとした動きは血流も改善しますし、リラックス効果もあります。

やっぱり体をちゃんと動かせば腸も動いてお通じもよくなるので、適度な運動と食事、睡眠は意識してください。

プロフィール髙橋怜奈先生
医学博士。東邦大学医療センター大橋病院・婦人科在籍。趣味はベリーダンス、ボクシング、バックパッカーの旅。2016年6月にボクシングのプロテストに合格をし、世界初の女医ボクサーとして活躍中。ダイエットや食事療法、運動療法のアドバイスも行う。

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