便秘予防(5)

2020年3月31日

3つのポイントを押さえよう! 便秘予防と食べ方の話

便に関する3つのポイント

便秘予防は、「食」から。

便秘を無理なく解消するためには、どうしたら良いのでしょうか? ひとくちに便秘といっても、その原因は様々であるため、それを正しく突き止めた上で、適した食事を取ることが理想です。間違った判断はもちろんのこと、むやみに薬などに頼ることなく、基本としては“バランスのとれた食事”を心がけることが何より大事なんだそう。最近食物繊維や発酵食品の話は耳にするものの、意外と知られていないのが、次の便に関する“3つの基本ポイント”かもしれません。

(1)たんぱく質は、便をかたくする。

(2)糖質は、便をやわらかくする。

(3)脂質は、食物のすべりを良くする。

つまり、糖質オフを実践したり、筋肉をつけようとストイックに食事制限したりしている人、ダイエットなどで脂質を厳しくカットしている人は、要注意。

そうです、日頃一生懸命取り組んでいるダイエットや肉体改造が、便秘によくない食事バランスになっている可能性があるのです。そんな時は、ちょっと一呼吸。みなさんが日頃どのような食生活をしているか、一度振り返ってみることが大切です。

しかしそうは言っても、便秘に必要な食生活のポイントはこれだけにあらず、それらの知識をマスターして、完璧に改善することなんてなかなか難しいもの。そこで今回は、“無理なく・簡単に・おいしく”をコンセプトに、今日から変えられる便秘予防につながる食べ方を3つご紹介してみたいと思います。

便秘予防を意識した、3つのアイディアとは?

①鶏むね肉を、「もも肉」に変えてみる。

健やかな身体づくりのために欠かせない「たんぱく質」。前述したとおり、便をかたくする要因にもなります。便のかたさを実感したら、脂質を加えてすべりを良くしていくことを考えましょう。そこで最も手軽なのが、鶏肉の部位を変更すること。ヘルシーなむね肉を、脂質が多いもも肉に変えてみることで、変化を見てみましょう。

②ドライフルーツ・ナッツの代わりに、「生果物」を食べてみる。

ナッツが好き、完食はドライフルーツ、朝食にはシリアルがメイン、という人は“水分不足”の可能性があり、便秘を呼び寄せる要因になってしまいます。ただし、水分だけ取れば良いわけでもなく、適度なやわらかさのある便を作るためには、食物繊維(特に水溶性食物繊維)も重要。そこで、みずみずしい生フルーツをたっぷり食べてみましょう。水分と食物繊維を適度に摂取することができますし、ドライナッツよりも低カロリー・低糖質なのも魅力です。

③豆腐より、「納豆」。牛乳より、「ヨーグルト」。発酵食品を意識的に取り入れてみる。

便秘を考える上で大事なのが、「整腸」。私たちの腸内には、1,000兆個以上の様々な“細菌”が生息しているのですが、大腸の中に住む善玉菌を増やすことは、排便を促すことにつながります。その善玉菌を増やすために働くのが、「発酵食品」。同じ豆製品でも、豆腐より“納豆”を選ぶことで、善玉菌である納豆菌を摂取することができます。また、牛乳を“ヨーグルト”に替えるだけで、乳酸菌を取り入れることができます。いずれにせよ腸まで生きて届くものが良いとされていますが、まずは「発酵」を意識して食品選びをしてみることからはじめると、無理がないかもしれません。

プロフィールスギアカツキ
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)、海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)が発売中。

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