便秘予防(1)

2020年3月31日

腸活ってそもそも何のこと? 悪玉菌が増える原因と善玉菌を増やす方法

そもそも「腸活」って何?

大腸内に生息する腸内細菌は、1,000種類以上、約1,000兆個以上もあります。

そして、腸内細菌は、健康に良い「善玉菌」、不調をおこす「悪玉菌」、環境によってどちらにもなる「日和見菌」の3つに分類できます。

善玉菌で代表的なのは、ビフィズス菌や乳酸菌です。大腸内で善玉菌が優勢になると健康になろうという力が働きますが、逆に悪玉菌が優勢になると、下痢や便秘などのおなかの不調を引き起こします。悪玉菌は腐敗物質を出すため、それが腸管壁から全身へと流れると、病気の原因にもなります。

膨大な腸内細菌が腸壁にびっしりとついている様子は、お花畑のように見えることから「腸内フローラ(腸内細菌叢)」と呼ばれています。「腸活」とは、大腸内を悪玉菌よりも善玉菌のほうが多い腸内環境を整えることを言います。

腸内フローラは変わりやすい

私たちは胎児の時には無菌状態で生まれてきますが、出産時に母親から菌をもらいます。生後1週間頃の母乳を飲んでいる赤ちゃんの大腸内は、95%以上がビフィズス菌で占められていますが、年齢とともにから徐々に減りはじめ、中年期を迎える頃からビフィズス菌が減少します。高齢者ではわずか1%未満になる人もいます。加齢だけでなく、食生活や生活リズム、ストレスによって腸内環境は変わりやすく、現代を生きる大人にとって腸活は重要なものとなっています。

悪玉菌が増えてしまう原因は?

たんぱく質や脂質をエサに増える悪玉菌は、加齢による免疫機能の低下や私たちが毎日食べるものの影響を受けて増え続けます。肉を中心としたタンパク質や脂質の多い欧米型の食生活を続けていると、体に吸収されなかったタンパク質が悪玉菌によって有害物質に変えられてしまいます。

また、ストレスも腸内環境にとってはよくありません。ストレスが多い生活を送っていると、腸の働きをコントロールしている自律神経に影響が及び、悪玉菌が増加します。普段から十分な休息を取り、適度な運動をして副交感神経を優勢にすることが腸活につながります。

善玉菌を増やす方法は?

では、善玉菌の割合を増やすにはどうすればよいのでしょうか?

まずは、生きた善玉菌「プロバイオティクス」を食品からとる方法です。ヨーグルトや乳酸菌飲料、納豆や漬物などの発酵食品、ビフィズス菌や乳酸菌、酵母菌、麹菌を含む食品からとれます。これらの菌は、腸内に住み着くことはなく、日々排泄されてしまうので毎日摂取し、腸に補充することが望ましいです。

次は、腸内にもともと存在する善玉菌の栄養となる「プレバイオティクス」を摂取する方法です。食品としては、野菜類や果物類、豆類などに多く含まれるオリゴ糖や食物繊維がそれに該当します。これらは、消化・吸収されることなく大腸まで達するので、善玉菌のエサとなります。

また、乳酸菌やビフィズス菌が含まれているサプリメントをとることも腸内フローラを整えることにつながります。不規則で忙しい生活を送っている人は、サプリメントの助けを借りることも一つの方法です。

私の腸内環境は? チェックする方法

腸内細菌が健康的な状態であるかを知るための手っ取り早い方法としては、便を観察することが挙げられます。

理想的な便は、黄色から黄色がかった褐色でにおいもそれほど臭くありません。形は柔らかいソーセジやバナナ状です。一方、悪玉菌が優勢な場合の便は、黒っぽい色でにおいもキツいにおいがするので、チェックしてみてください。

参考文献
『見た目の若さは腸年齢で決まる』辨野義己(著)PHPサイエンス・ワールド新書/『整腸力』辨野義己(著)かんき出版/厚生労働省 e-ヘルスネット「腸内細菌と健康」

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