NMNインタビュー第4回

2021年10月8日

そもそも老化ってどんな現象? NMNと一緒にとりたい成分は?

「人生100年時代」と言われ、長く生きることが当たり前となった今、いつまでも健康な状態で自分らしく年を重ねていけるかに私たちの関心は集まっています。

近年の研究により、老化制御の可能性※を秘めた成分として、世界中の研究者達から注目を集めているのが「NMN」という成分です。

in vivo試験の結果による

NMNって何? どんなメカニズムなの? 食事からとることはできないの?

そこで、日清製粉グループ・日清ファルマ株式会社の社員で農学博士の中山優也(なかやま・ゆうや)さんにNMNについて連載形式でお話を伺います。

第4回目のテーマは「いつまでも若々しくいるため」にとりたい成分についてです。

そもそも老化ってどんな現象?

--前回はコエンザイムQ10について伺いました。今回も身体に大切な栄養素について伺えればと思うのですが、そもそも老化とはどんな現象のことを指すのでしょうか?

中山優也さん(以下、中山):NMNとの関連性で言えば、加齢による生体内のNAD量の減少でエネルギーを生み出す量が減ることが老化の原因の一つと考えられているので、NMNを補う必要があります。一方では活性酸素の働きにより、生体内で酸化が進むことも老化の原因の一つと考えられています。

活性酸素を作る原因はいろいろありますが、車の排気ガスや喫煙、紫外線、激しい運動、ストレスなどと言われており、過剰に酸化が進むことは老化を促進させると思います。日常生活から、酸化ストレスを多く受けてしまうため、抗酸化対策が大事と考えられます。

NMNと一緒にとりたい成分

--「エネルギー産生」「抗酸化作用」が期待できる成分としてコエンザイムQ10のほかに、レスベラトロールやビタミン類がありますが、それぞれの働きを教えてください。

中山:まずレスベラトロールはブドウや赤ワインに含まれるポリフェノールの一種です。紫外線などの外部ストレスに対し作り出される自己防護成分です。

さらにin vivo試験の結果から、レスベラトロールの摂取により、長寿遺伝子を活性化させるという報告があります。NADも同様に長寿遺伝子の活性化に必要な成分と言われているため、レスベラトロールとNMNを同時にとるのが重要と考えております。

ビタミン類をとったほうがいいのはなぜ?

中山:まず、ビタミンB群は水溶性ビタミンにあたり、食事からとった栄養がエネルギーになるために不可欠な成分です。体内ではほとんど合成することができないため、食物やサプリメントから摂取する必要があり、体内のさまざまな代謝に必要な酵素の働きを補っています。

細胞では、糖をエネルギー源として利用する際に、解糖系、クエン酸回路、電子伝達系といった代謝経路を経て、最終的にATP(アデノシン三リン酸)という物質を生産します。ATPは全ての細胞が生きる上で必要なエネルギー源であり、「エネルギー通貨」とも呼ばれています。ビタミンB群が解糖系からクエン酸回路で、NMNがクエン酸回路から電子伝達系でそれぞれはたらきます。

次にビタミンCは水溶性ビタミンにあたり、体内で活性酸素によるダメージから細胞を守ることを助けます。体のすみずみに届いて健康維持や美容のもとになります。こちらも体内で合成ができず、体外に排出されやすいので続けてとりたい成分です。

ビタミンEは脂溶性ビタミンに当たり、水に溶けません。体内の脂質の酸化を防ぎ細胞の健康維持を助けます。

β-カロテンは脂溶性ビタミンにあたり、緑黄色野菜に多く含まれる成分で、一部が体内でビタミンAに変換されます。活性酸素の発生を抑え、取り除く働きがあります。

ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEは生体内で酸化を抑える作用を持つ「抗酸化ビタミン」と呼ばれています。

--ビタミン類をとることが大事なのですね。

中山:そうですね。ビタミンやコエンザイムQ10、NMNはそれぞれ役割を持って働いておりますので、一緒にとることが重要と考えています。

参考
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-027.html
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-008.html

プロフィール中山優也(なかやま・ゆうや)
2013年に日清ファルマ株式会社に入社後、健康科学研究所に配属。同研究所に在籍中、機能性素材や製品開発に取り組み、社会人ドクターとして東北大学大学院農学研究科に進学し、2021年3月に博士後期課程を修了した。

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