腸内環境と大腸がん

2020年6月02日

肉中心の食生活が悪玉菌の原因に…腸内環境と大腸がんの関係は?

悪玉菌が増え、腸内環境が悪化すると便秘や下痢になったり、肌の調子が悪くなったりと体に悪影響を与えることがわかっています。

腸内環境は健康のカギを握ると言っても過言ではないですが、食生活の欧米化が進んだ1960年から患者数が増加し、注意が必要な病気の一つに「大腸がん」があります。

今回は、腸内環境と大腸がんの関係について見ていきましょう。

肉中心の食生活と大腸がんの関係は?

肉中心の欧米型の食生活で、動物性脂肪を過剰に摂取すると大腸内に悪玉菌が増加します。悪玉菌は、肉に含まれるタンパク質を分解し硫化水素やアンモニア、アミンなどの毒素を発生させて「発がん物質」を作り出す原因となります。

また、肉中心の食生活を続けていると体内で脂肪を消化・吸収するために肝臓が胆汁を過剰に分泌するようになります。肝臓に戻らない、余分な胆汁が大腸に流れ込み、特定の悪玉菌により発がん促進物質である二次胆汁酸に変えてしまいます。

つまり、発がん物質と発がん促進物質がそろうことで大腸がんのリスクが高まります。

大腸がんのリスク! 悪玉菌を減らすには?

大腸がんのリスクになる悪玉菌を減らすために、悪玉菌を退治してくれる善玉菌を増やすことがポイントです。善玉菌と言えば、乳酸菌をイメージする人も多いと思いますが、大腸内は酸素がほとんどないので、乳酸菌には住みづらい環境です。実は、大腸内の善玉菌の99.9%がビフィズス菌です。

ビフィズス菌が生み出す酢酸には強い殺菌力があります。酢酸と言えばお酢ですが、お酢は消化の途中で吸収されて大腸まで届きません。悪玉菌を退治する善玉菌を増やすには、大腸内のビフィズス菌を増やすことが大事です。

ビフィズス菌を続けて摂取しよう

ビフィズス菌は年齢を重ねるにつれて減っていきます。生後一週間頃の母乳を飲んでいる赤ちゃんの大腸内は95%以上がビフィズス菌で占められています。しかし、離乳が始まる時期からビフィズス菌はだんだん減り始め、成年期には安定するものの、加齢でどんどん減少していきます。60歳を越えると成人時の1%になる場合もあります。

ビフィズス菌は発がん物質の抑制だけではなく、花粉症などのアレルギー軽減やO157の感染予防、インフルエンザ予防に効果があります。ビフィズス菌は、ビフィズス菌入りのヨーグルトなどの食品やサプリメントでとることができます。

しかし、ビフィズス菌は胃酸や小腸の胆汁酸に弱いため、大腸に届くまでにほとんどが死滅してしまいます。また、生きたまま届いたとしても、大腸内に住み着くことはなく、大腸内にとどまれるのは2週間程度です。そのため、ビフィズス菌を生きたまま大腸まで届けられるサプリメントを活用し、毎日とり続けることが大事になってきます。

また、腸内にもともと存在しているビフィズス菌を増やすことも大事です。そのためには、オリゴ糖などをとることが有用です。オリゴ糖は、大豆、タマネギ、ゴボウ、ネギ、ニンニク、アスパラガス、バナナなどの食品にも多く含まれています。

腸内環境をチェックするには…

善玉菌が優勢かどうかは便を見ればわかります。善玉菌がたくさん酸を作っていると、黄褐色のバナナ状の便になります。においもきつくはなく、いきまずにストーンと出ます。悪玉菌が優勢の場合は、黒っぽい色で悪臭があります。便をチェックして大腸内を理想のバランスに保ちましょう。

参考文献
厚生労働省「e-ヘルスネット」/『見た目の若さは腸年齢で決まる』辨野義己(著)PHPサイエンス・ワールド新書

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