腸内環境と免疫

2020年6月02日

ビフィズス菌を増やそう! 腸内環境と免疫力の関係は?

インフルエンザや風邪が流行する季節になると、「免疫」という言葉を耳にすることが多いのではないでしょうか? 日常生活でも「免疫力を上げよう」などと会話に登場することもしばしば。

でも、「免疫」や「免疫力」って何のこと? 今回は、「免疫力」とビフィズス菌をはじめとした善玉菌の関係について探ってみました。

「免疫」って何のこと?

免疫は、ウイルスや細菌など病原体の攻撃から体を守る仕組みのことで、免疫細胞の60%以上が腸に集中しています。

体に入ってくる異物としては、インフルエンザウイルスや病原菌、O157などの大腸菌などです。また、体内で作られるがん細胞も正常な細胞ではないため、「侵入者=敵」と認識されます。春になると多くの人を苦しめる花粉症も過剰な免疫の作用によるもので、侵入者と見なされます。花粉症で鼻水やくしゃみ、涙の症状がでるのは免疫作用のためです。

「免疫」と腸内環境の関係は?

食べ物という外界からの侵入物と直に接していることもあり、腸には全身の免疫細胞の約60%が集まっています。免疫機能は悪玉菌が引き起こす「腐敗」によって異常をきたします。そのため、ビフィズス菌をはじめとする善玉菌を増やして腸内の「腐敗」を防ぎ、腸内環境を整えることが免疫機能を活性化することにつながります。また、善玉菌は免疫細胞の活性化にもかかわっています。

ビフィズス菌を摂取するとどんな効果があるの?

では、善玉菌の代表格であるビフィズス菌を摂取することでどんな効果があるのでしょうか?

花粉症患者44人にスギ花粉が飛散する1ヶ月前からビフィズス菌を摂取してもらい、摂取していない人と花粉飛散期間におけるメディカル症状スコアの合計値を比較したところ、ビフィズス菌をとった群はくしゃみや鼻水などの花粉症の自覚症状が全般的に緩和しました。

また、65歳以上の高齢者27人にビフィズス菌を19週間連続で摂取してもらい、摂取していない人と発症人数を比較したところ、ビフィズス菌をとった群は発熱者・インフルエンザ発症者が減少していることがわかりました。

0157においても、ビフィズス菌が感染予防に効果があることがわかりました。

ほかにも、アトピー性皮膚炎の患者の腸内にはビフィズス菌が少ないこともわかっています。

善玉菌を増やす食生活を意識しよう

病気の予防にも効果がある善玉菌を増やすにはどうすればよいのでしょうか?

まずはオリゴ糖など善玉菌のエサになる食品や大腸をキレイにしてくれる食物繊維を摂取するようにしましょう。オリゴ糖は、ハチミツや大豆製品、牛乳、タマネギなどに多く含まれ、食物繊維は大豆やゴボウ、コンニャクや海藻類などに多く含まれています。

また、ビフィズス菌を含むヨーグルトやサプリメントを摂取して腸内環境を整える生活を意識することが大切です。

腸内環境とともに生活習慣も整えよう

また、睡眠不足といった生活習慣の乱れや精神的なストレスなども免疫力低下の大きな原因になってしまいます。毎日の食事や規則正しい生活を送って免疫力を落とさない生活を意識するようにしましょう。

参考文献
『見た目の若さは腸年齢で決まる』辨野義己(著)PHPサイエンス・ワールド新書
Xiao JZ. et al, Clin Exp Allergy, 2006
Namba K.et al,Blosci Blotechnol Biochem,74(5)939-945,(2010)
Namba K.et al.Bioscience Microflora,22(3):85-91,(2003)

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