便秘予防(7)

2020年5月13日

便秘が続くとどうなるの? 悪玉菌との関係は?

お腹がスッキリしない、便秘に悩んでいるという人は少なくないのでは?便秘について、日本内科学会では「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」と定義しています。また、日本消化器病学会では、「排便が数日に1回程度に減少し、排便間隔不規則で便の水分含有量が低下している状態(硬便)を指す」としています。それでは、便秘になってしまうと、どんな健康被害があるのでしょうか?

便秘の原因は?

まず、便秘の原因としては、「厚生労働省 e-ヘルスネット」によると、不規則な食事や生活、食物繊維・水分・脂質などの摂取不足、低栄養、ビタミン欠乏症、全身衰弱、緊張などのストレス、神経障害、浣腸や下痢の乱用、体質、便意があっても排便できない職業、便意を抑制する習慣などがあります。

女性に多いイメージだけれど…加齢とともに便秘は増加

一般的に、便秘は女性のほうが多いというイメージがあります。女性は、無理なダイエットや偏食などの食生活の乱れや、女性ホルモンの影響で腸の働きが鈍くなり、便秘になりがちです。

しかし、便秘は加齢とともに増加し、若いうちは女性に多くみられますが、高齢者では男女差がありません。加齢によって大腸の働きも鈍くなり、男女ともに排便がスムーズにいかなくなってしまいます。

便秘が続くとどうなるの?

便秘になると便通不良になってお腹が張ってつらいだけではなく、腸にととどまった便が腐敗し、有害物質が発生します。腸内環境は悪玉菌が優勢になり、腸内フローラのバランスが崩れてしまいます。また、有害物質が腸壁の毛細血管から吸収され、血液中にめぐって全身に行き渡ります。

有害物質が全身に送られることで、肌荒れが生じ、吹き出物が出やすくなったり、肌が黒ずんだりと肌トラブルが発生します。そのほか、便秘はお腹の不快感やお腹が張る、腹痛、腸の働きが悪くなることによる食欲不振と吐き気などを引き起こします。

腸内フローラのバランスがとれているかチェックする簡単な方法として、便やおならのにおいがあります。いつもより便やおならのにおいがくさかったら、大腸内で悪玉菌が増えて悪臭を放つ有害物質が増えている証拠です。

悪玉菌が増えることでかかりやすくなる疾患は?

悪玉菌が増えて腸内フローラのバランスが崩れると、善玉菌が持つ免疫作用を阻害するため風邪やインフルエンザの感染症にかかりやすくなります。

ほかにも、

大腸がん:胆汁を発がん促進物質に帰る悪玉菌が大腸がんのリスクを高くする。潰瘍性大腸炎、クローン病などの炎症性腸疾患:悪玉菌や腐敗物質が腸の粘膜を傷つけ、炎症を起こして、自己免疫疾患の一つである炎症性腸疾患の誘因になる。肥満・糖尿病:悪玉菌の中には肥満を促す細菌があり、増えると肥満・糖尿病につながる。
アトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー性疾患:悪玉菌の増加で免疫力が低下し、アレルギー性疾患を発症しやすくなる。

など、悪玉菌の関与が疑われる疾患があります。

悪玉菌は腸内だけではなく、全身に影響を及ぼします。普段の食生活を見直したり、ストレスがたまらない生活を心がけることはもちろんですが、難しい場合はビフィズス菌を含む食品やサプリメントを積極的にとって善玉菌を増やす腸活を意識しましょう。

参考文献
厚生労働省「 平成28年国民生活基礎調査」/厚生労働省「e-ヘルスネット」/『見た目の若さは腸年齢で決まる』辨野義己(著)PHPサイエンス・ワールド新書

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