腸活と美肌(4)

2020年/月日

紫外線対策は1年中! 季節ごとに意識したいスキンケア【皮膚科医に聞く】

お肌は健康のバロメーター。いくらスキンケアを頑張っても、食生活が乱れていたり、睡眠不足だったり、ストレスが溜まっていたりすると肌の調子も悪くなってしまいます。体の中から健康的な肌をキープするにはどんなことに意識すればいいの?そこで、皮膚科専門医・田中敬子(たなか・けいこ)先生に「腸活と美肌」について4回にわたってお話を伺います。最終回のテーマは、「季節ごとのスキンケア」です。

1年を通して紫外線ケアは必須

--季節ごとのスキンケアについて教えてください。

田中敬子先生(以下、田中):3〜4月の春は紫外線が増えてくる時期です。紫外線の影響を受けやすいので、日焼け止めをきちんとつけるようにしましょう。また、花粉などのアレルギーで肌が敏感になりやすい時期でもあるので、洗顔をしっかりやって顔についたアレルゲンを洗い流すようにしましょう。もちろん、洗顔のあとの保湿も大事です。

--この時期から日焼け止めを忘れないということですね。夏はいかがでしょうか?

田中:夏は紫外線が一番多い時期なので徹底した紫外線対策が必要です。海や山などのレジャー当日はもちろん、前日から美白ケアをしてください。また、日焼け前後はビタミンCなど抗酸化作用のあるサプリメントをとるのも必要です。日焼けのあとは乾燥しやすいので、しっかり保湿しましょう。

--日焼け当日だけではなく日焼け前後のケアも大事ということですね。

田中:秋は夏の紫外線の影響で秋の肌は疲れ気味です。乾燥も始まる季節です。乾燥した肌はターンオーバーがスムーズに進まないので、メラニンを含む角質がたまりがちになってしまいます。秋もしっかりとした保湿が大切です。秋も行楽シーズンですが、紫外線が強い日がまだまだ多いので、長時間外出する場合はしっかり紫外線対策を忘れないようにしてください。

--秋も夏と同様、紫外線対策はマストということですね。

冬は「うっかり日焼け」に注意

田中:冬は、ほかの季節に比べて紫外線が少ないとは言え、雲や窓ガラスを通して到達するUVAは降り注いでいます。「うっかり日焼け」が多い季節とも言えるので、紫外線対策は忘れずにしましょう。

また、冬といえば乾燥ですが、都市化で湿度が低下し続けていることもあって乾燥対策がより大切になってきます。入浴後30分以内に保湿ケアすれば水分保持効果が高くなるので積極的にオイルなどの保湿剤を塗るのがいいですね。

オイルを活用して腸内環境も整えよう

--オイルと言えば、塗るオイルだけではなくて口の中に入れるオイルもよいのでしょうか?

田中:それではオイルについて少し説明しましょう。MCTオイル(中鎖脂肪酸)は抗菌作用があり、エネルギー供給がメインのオイルです。ココナッツオイルは中鎖脂肪酸を60%含みますがラウリン酸を含み、これは抗酸化作用や免疫力向上の作用があります。

えごまオイルやアマニオイルは「オメガ3脂肪酸」が多く含まれていて、近年、中性脂肪の合成を抑える効果や代謝を上げる効果も期待されています。抗炎症作用もあるので、腸の炎症を取ってくれる作用もあります。

腸壁の細胞は寿命が短く、わずか1日で剥がれ落ち、新しい細胞に入れ替わります。オメガ3脂肪酸(えごま油、アマニ油)とオメガ6脂肪酸(サラダ油、ごま油、コーン油、大豆油など)を1:2〜4の割合でとると腸内環境が整えられるので、肌にも効果的です。日本人の現状は1:5でオメガ6がだいぶ多くなっています。

オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸は体で作ることはできません。食品から摂取する必要があり、かつて日本人は魚でオメガ3を十分に取ってきましたが、近年は食の欧米化もあり、オメガ3脂肪酸の摂取量が減ってきました。実はそのことが心筋梗塞のリスクにつながることが近年の研究で分かってきていますので、意識的にオメガ3をとるようにしましょう。

プロフィール田中敬子先生
皮膚科専門医。都内病院勤務。野菜ソムリエ、フードアナリスト、国際薬膳食育師、スイーツコンシェルジュの資格も持つ。趣味は患者さんへのレーザー治療、料理、レストラン巡り、海外旅行、英会話。皮膚科専門医を持ちながら、幅広い食の知識を持ち、食事療法のアドバイスも行う。英語堪能。

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