腸活と美肌(2)

2020年5月13日

生野菜のとりすぎに注意! 美肌をキープするためにとりたい食べ物【皮膚科医に聞く】

お肌は健康のバロメーター。いくらスキンケアを頑張っても、食生活が乱れていたり、睡眠不足だったり、ストレスが溜まっていたりすると肌の調子も悪くなってしまいます。体の中から健康的な肌をキープするにはどんなことに意識すればいいの?そこで、皮膚科専門医・田中敬子(たなか・けいこ)先生に「腸活と美肌」について4回にわたってお話を伺います。第2回目のテーマは、「美肌のための食生活」です。

肌の水分保持能力を高めるために必要な成分は?

--前回は、腸内環境と肌の関係について聞きました。今回は美肌のための食生活について教えてください。

田中敬子先生(以下、田中):肌にとって一番大事なのが、水分保持なんですね。そこで、水分保持能力を高めるために絶対に必要なのはタンパク質です。ヒトの体の60〜70%は水分でできていますが、15~20%はタンパク質です。タンパク質は筋肉や臓器、肌、髪、爪、骨などの主成分となるので良質なタンパク質が欠かせません。

タンパク質が含まれている食品は、動物性タンパク質である肉類や魚介類、卵類、きな粉や油揚げ、納豆や豆腐などの大豆製品、チーズやヨーグルトなどの乳製品などです。動物性、植物性問わずタンパク質の摂取はとても大事です。

--まずはタンパク質が基本ということですね。

タンパク質のほかに意識したい栄養素は…

田中:そして肌の細胞をしっかりと作るために、ビタミンB群、亜鉛、鉄、ビタミンC、コラーゲンが必須です。詳しく解説すると、ビタミンB群は皮膚、粘膜の健康維持のために必要です。レバーや牛乳、豚肉、ウナギなどですね。

亜鉛も皮膚、粘膜の健康維持作用があります。味覚を正常に保つのにも大事です。亜鉛は牡蠣(かき)、肉類、ゴマや海苔、ワカメ、納豆、レバーなどに含まれています。

鉄はコラーゲンの産生に必要不可欠な栄養素です。レバーや牛肉、シジミ、アサリ、カツオ、卵、小松菜やホウレンソウ、大豆食品に多く含まれています。

ビタミンCはコラーゲン繊維を作るために必要で皮膚や骨、血管の強度を保っています。また抗酸化作用、シミ予防や疲労回復効果があります。赤ピーマンや黄ピーマン、ブロッコリー、キウイフルーツなどですね。

これらの栄養素が不足すると、肌のハリや潤いがなくなって小じわができやすくシミも目立ってしまいますので、意識的にとるようにしましょう。

--意識してとるようにします。

活性酸素増加を防ぐ成分は?

田中:また、運動のしすぎも活性酸素が増えて肌の老化につながるので気をつけましょう。ちなみに活性酸素を減らす作用のある成分は、ポリフェノール(ココア、ブルーベリー)、カテキン(紅茶、緑茶)、 β-カロテン(ニンジン)、リコピン(トマト)、フラボノイド(大豆)、セサミノール(ゴマ)、アスタキサンチン(鮭、エビ、カニ)です。

生野菜の取りすぎには注意

--ほかに注意したほうがいい食品などはありますか?

田中:そうですね……「ヘルシーだから」という理由で生野菜を食べている人も多いと思いますが、人間は不溶性食物繊維のセルロースを消化する酵素を持っていないので腸に負担をかけて肌にとっては逆効果となってしまうのでとりすぎには注意したほうがいいですね。

もし、とるのであれば食物繊維、オリゴ糖をとりましょう。これらは、腸内にもともと住んでいる善玉菌のエサで、善玉菌を増殖、活性化し腸内環境を整える作用があり「プレバイオティクス」と呼ばれます。

ビフィズス菌、乳酸菌など生きた善玉菌そのものは「プロバイオティクス」と呼ばれ、納豆や味噌、ヨーグルトに含まれ、「プレバイオテイクス」は芋、豆、きのこ類、キャベツ、果物、海藻類などに含まれます。

もし、食品からとるのが難しいのであればサプリメントをとったりしましょう。

また、善玉菌といえば大豆に含まれるイソフラボンであるダイゼインが乳酸菌の仲間のエクオール産出菌の作用によってエクオールという物質に変換され、更年期症状の改善やシワ、骨密度現象の防止に役立ちます。肌や毛髪を若く保つためにもサプリメントなどでとるのがいいと思います。

--ありがとうございます。次回は「美肌のためにやってはいけないこと」について伺います。

プロフィール田中敬子先生
皮膚科専門医。都内病院勤務。野菜ソムリエ、フードアナリスト、国際薬膳食育師、スイーツコンシェルジュの資格も持つ。趣味は患者さんへのレーザー治療、料理、レストラン巡り、海外旅行、英会話。皮膚科専門医を持ちながら、幅広い食の知識を持ち、食事療法のアドバイスも行う。英語堪能。

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